【ナチス全盛期のドイツ国民とワイン】

かつて、ドイツの総統として君臨し、
第二次世界大戦を引き起こし、
全世界を戦争の渦に巻き込んで行った、アドルフ・ヒトラーですが、
そのヒトラーが、何故、あんなにドイツ国民の熱狂的な支持を集めたのかと言えば、
下記の背景が有ったからに他ならないでしょう。
それは、
第一次世界大戦に敗れ、多額の賠償金を課せられ、更に、1929年の世界恐慌により追い討ちを駆けられたドイツが、
経済的にも破綻し、国家存亡の危機を迎えていた時に、
ドイツ復興の旗印を掲げ、ナチスという政党を率いて現れたヒトラーという人物が、
1933年、選挙により政権を握ると、
大規模な公共事業を起こすなどの政策を矢継ぎ早に実行し、ドイツ経済を立て直してしまった、という事です。
これは、「ヒトラーの奇跡」と呼ばれ、
ドイツ国民は、熱狂的に彼を支持するようになり、
ヒトラーが、独裁的な政権を強固にする、基盤ともなりました。
1939年、そのヒトラーが、領土的な野心も露(あらわ)に、ポーランドに侵行した事により始まったのが、第二次世界大戦というわけですが、
開戦当初、「電撃戦」と命名された作戦により、ドイツは連戦連勝し、
1940年にはパリを陥落させ、フランスをも占領下に置いてしまったのです。
この時、フランス産のワインが、大量にドイツに運ばれ、
連戦連勝の快進撃に熱狂するドイツ国民は、心行くまで、このワインという、勝利の美酒に酔いしれたと言います。
つい数年前までは、貧困のどん底に喘いでいたドイツ国民が、
ヒトラーの登場により、心行くまで、宿敵フランスのワインという戦利品に酔う事が出来るようになったわけですから、
これはもう、ヒトラーに対する、彼らドイツ国民の気持ちは、崇拝の域にまで達していた事でしょう。
一方、宿敵ドイツに敗れるという屈辱を味わったフランスは、
その後、アメリカを中心とする連合国軍の反撃により、
1944にはパリを奪還し、
今度は、フランス国民が、勝利の美酒に酔う事となりました。
敗勢に陥ったナチス・ドイツは、
その後、ヒトラーも自殺し、またしても敗戦国となったわけですが、
ドイツ国民が味わった、フランス産のワインは、まさに、束の間の勝利の美酒だった、という事になりました。
これも、歴史の皮肉というものでしょうか。